原作 東野圭吾 X 主演 二宮和也 プラチナ対談 

來源:官網

【映画『プラチナデータ』完成】

東野     完成した映画は、客観的に観ることができなかったんですよ。当たり前だけど、ストーリーをある程度知っているわけだし、脚本も読んで、どこが原作と変わっているのかも一応はわかって観ていますから。特に今回は原作からの変更が必要な作品だったと思うんです。たとえば、科学技術に関して言えば、近未来を扱っているから、原作に書かれていることがどんどん古くなっていく。それを何らかの形でリライト、リメイクするときに、必然的に新しいことを投入しなくてはならない。合わせて人物像も変わっていくし、ときにはテーマも膨らませないといけなかったりする。そういうことを全てふまえて観たわけですが、完成した映画はお世辞ではなく、原作よりも進化しているなと思いました。

二宮     うれしいですね。原作者の方に、そう言っていただけることはなかなかないから。

東野     正直、あんまりここまで言わないですよ(笑)。

二宮     ありがたいです。こうやって原作者の方とお会いするのは、怖いんですよ、基本的に(笑)。

東野     (笑)。

二宮     つまり一つの答えがあるわけですから。答え合わせっていうわけじゃないけど、ヒリヒリするんですよね。原作者の方に褒めていただくとか、良いんじゃないか、と言ってもらえるような作品を作ることは、僕たちが目指すラインなんです。もし「よくわからなかった」という感想を持たれてしまったら、誰も完成した作品を見てくれないと思うんです。だから、東野さんにそう言ってもらえて、大友(啓史)監督含め制作陣はみんなほっとすると思います。僕らは、原作の世界観を汚すためにやっているわけじゃないので。

東野     科学技術に関するディティールは、かなり取材されたと思うし、想像力も働かされたと思うんですよ。それにテーマにしても、いっそう一人一人の内面を掘り下げようとしていて、勉強になりました。

二宮     ありがとうございます。東野さんの作品には『流星の絆』(08/TBS)で初めて参加させていただいたんですけど、あの作品も結構、原作と変わっていて、そのときもお会いするのが怖かったです(笑)。

東野     (笑)。

二宮     あのときは宮藤(官九郎)さんが脚本を書いていて。これはちょっとマズいんじゃ……いや東野さんが読んでOKとおっしゃっているから大丈夫なんだ!と思いながら(笑)。

東野     実を言うと、『流星の絆』のときは、確かに驚いたんです。大胆な脚色があって。でも、もちろん、失望したわけではなくて、あの作品で二宮さんが演じていたキャラクターが非常に魅力的だったから、二宮さんのこういう持ち味を出したくて、脚色したのかなと思ったんですよね。それはそれで構わなかったんだけど、今回、『プラチナデータ』を見て「ああ、違うんだな」と。「あのキャラクターだから、ああやって演じたんだ」と。いろんなことができる人だと再確認しました。当時も、違う要求があれば、たぶんそう演じていたんだろうなと今は解釈しているんですよ。当たっているかどうかわからないですけどね(笑)。

二宮     そう思ってもらえることうれしいです。東野さんの作品は、『流星の絆』のときも、今回もそうだけど、現場で役者同士、ああだこうだといろんなことを話せるので、すごく楽しいです。それは、いい原作、かついい脚本があるからこそです。そういうことができる現場は、やっぱりいいなと思いました.

 

【映像化への挑戦】

東野     二宮さんが演じるのは、僕が書いた小説のキャラクターではなくて、それをもとに監督さんなり、脚本家さんなりが練り直したキャラクターですよね。だから『流星の絆』のときもそうだったように、『プラチナデータ』のキャラクターも原作とは違う。

二宮     大前提として、東野さんが書かれた『プラチナデータ』があって映画は存在するんだけど、その……言い方は悪いかもしれないけど、僕らは再現VTRを撮るわけではないんです。すでにエンターテイメントとして存在しているものを、さらに昇華させようとするんですよね。それができるかどうかはわからないけど。東野さんの作品を好きな僕らが、原作を映像化するにあたって、こういう背景、内容、キャラクターにしてバーンとぶつけてみたら、東野さんはどう思うのかな、という楽しみもあって。だから、映画は原作からだいぶ変わっているとは思いますけど、別物ということではないです。大げさかもしれないけど、僕らが見てほしかった『プラチナデータ』というのはこれなんですよね。それをまず東野さんに見てもらい、素晴らしいことを言ってもらえて、スタッフみんな安心していると思います(笑)。

東野     (笑)。挑戦であればいいと思っているんですよ。原作を使って何かをやろうとするときに、それが攻めであれば、結果的に失敗したっていい。挑戦でやっているのか、逃げでやっているのかは脚本をみればわかります。たとえば、ここはそのままやると金がかかるからこうなっているんだなとか。そう感じたときは、なぜこうするんですかと聞いてみても、あまり良い答えが返ってこない。「実は……」という話になるから、それならこうしたらどうかとアイディアを出すことはあります。でも、守りとか逃げでなければ、何をやってもらってもかまわない。実は、打ち上げのときもね、大友監督や豊川(悦司)さんから、「こんなに変えちゃっていいの?」って話があった(笑)。

 

【二つの人格について】

東野     神楽は二重人格という設定があるんだけど、原作でも、『ジキルとハイド』みたいな、まったく正反対の人物が交互に出てくるような、よくある構造にはしてないですよね。二重人格だと言っているのにそんな場面がひとつも出てこない(笑)。

二宮     (笑)。

東野     それは、もう一人の人格があるのか、その人格が出てくるのか、という不安感を表現したかったんですよね。要は彼は自分に自信がないんですよ。「俺は犯人じゃない!……のか?」という感じ(笑)。その雰囲気を映画でも維持してもらえたらいいなという思いはありましたけど、人格のわずかな変化が、見ている人にふっとわかるようにしていますよね。自分で名乗ったりするのではなく、見ている人が、「あ、今そうなのかな」と感じる気配があって、良かったなと思います。

二宮     神楽とリュウ、ふたつの人格がある役柄なんですけど、僕自身は常に、どちらの人格も同期させながら、同じ時間軸で、同じ速度で走らせていました。あえて交代人格、主人格というものを、自分の中ではなくして、いろんなところから受ける刺激や、そのとき感じるものによって変化する感じにしていました。二重というよりも、多重という感じで。結局、「事は済んだけど、僕は誰なんですかね?」ということの繰り返しなのかなと。そういう雰囲気が少し出ればいいかなと思って、いろいろ感じて演じてみたつもりです。

 

【アクションシーンについて】

東野     アクションシーンというのは楽しいですか?

二宮     楽しいですよ、基本は。みんながすごく集中しているから、その感じは気持ちいいですね。ただ怖いときもありますけど。

東野     怖い?

二宮     逃亡するシーンで、走り始めたトラックに近づいていって乗り込むカットがあったんです。

東野     それは自分でやったんですか?

二宮     自分でやってました。

東野     無茶させますね(笑)。アメリカだったら考えられない。

二宮     「もうちょっとギリギリまで粘ってくれ」みたいなことを言われて。「そこまでのポテンシャルが俺にあるのかな」と思いながらやったりして。そういう怖さはありましたけど、逃げているシーンの中で、何か少しでもスパイスというか、ヒリヒリした感じが出るといいな、と思っていたから、あのアクションシーンは自分としては面白かったんですよね。

東野     それにしても、よく逃げましたね(笑)。

二宮     いやー、よく逃げましたよ。長いときで1週間ぐらいずっと、キャストが僕一人だけの撮影でしたから。

東野     逃げているから共演者がいないんだ(笑)。

二宮     ほとんど誰とも会わないです(笑)。おかげで豊川さんの誕生日も祝えなかった。

東野     誕生日があったんですか?

二宮     あったんです。その日も僕は豊川さんから逃げるシーンを撮っていて。あの日に捕まるわけにはいかなかったので(笑)。

東野     (笑)。

二宮     でも豊川さんは素敵だったな。とても優しい方でした。

 

【大友監督の長回し】

東野     1日だけ撮影現場に行かせてもらったんですけど、あのときは独特の撮り方に驚いたんです。いくつかのシーンを、一気に全部、長回しで撮っていましたよね? あれは大友監督の独特のやり方なんでしょう?

二宮     そうですね。なかなかないと思います。『硫黄島からの手紙』(06)に近いですけど、あのときはもうちょっと大雑把でした(笑)。

東野     時間経過も関係なく何シーン分も続けて撮るのは、大変じゃないですか?

二宮     スタッフは大変だと思います。東野さんが来られた日に撮っていたのが、特殊解析研究所のシーンですが、豊川さんや生瀬(勝久)さんも、「舞台っぽくて楽しい」って、楽しんでやってました。でも、ちょっと特殊な撮り方でしたね。

東野     驚きましたよ。これまで何度か撮影を見たことがありましたけど、あんなに一度に撮り続ける現場は初めて見ましたよ。

二宮     確かに、ああいう形で本番の撮影をすることは確かにめったにないです。大友監督はいつも、「何をしてくれるんだ、今日は?」というモチベーションなので、リハーサルもあまりしたくないタイプ。それに応える人もいれば、淡々とやる人もいて、監督は、そのコントラストを楽しんでいる感じでしたね。

東野     あの特殊解析研究所のセットは、すごかったですね。巨大なモニターとか、高価な機械がいっぱいありましたよ。あそこでの撮影は数日だったんですよね?

二宮     3~4日間ぐらいでしたね。セットをスタジオいっぱいに組んでいたので、スタジオから突き出る形で廊下が作られていて。

東野     撮影中に、あまりにもいろんなところから撮るので、居場所がなかったんですよね。ここだけは映りませんっていう場所があってみんなそこにいる(笑)。

二宮     あれは面白かったですね(笑)。

 

【役者はすごい】

東野     たいしたもんだなと思いますね、役者さんって。

二宮     本当ですか?

東野     思いますよ。ただ、尊敬はしますけど、少しもうらやましくないですね(笑)。

二宮     (笑)。一応尊敬はしてくれているんですね?

東野     ええ。素晴らしいなとは思いますけど、仕事的にはうらやましくない(笑)。

二宮     (笑)。

東野     まったくやりたくない。

二宮     監督はどうですか?

東野     昔、高校生のときに映画を作ったことがあるんですよ。脚本も書き、監督もやっていたんですけど、人数が足りなくて、お前も出ろと言われて、すごく嫌で出番を減らして(笑)。

二宮     自分の出番を(笑)。

東野     だから監督をやりたかったことはあるんですよ。でも、だんだんと自分の頭の中で作ることに慣れてきたのと、あとはいつの間にか自分の作品が映像化されるようになって、監督は大変だ、できないなと思うようになりました。脚本もできないです。

二宮     そうなんですか?

東野     この間、湊かなえさんとお話したんですけど、あの方が以前、『高校入試』(12/TBS)で脚本を書いたでしょう。「よくやりますね。」って言ったら、「そうですか。私の場合は小説も脚本も同じですけど」って。

二宮     (笑)。

東野     あの人はもともと脚本家からスタートした人ですしね。真保裕一くんも『鋼の錬金術師』とか『ドラえもん』のシナリオを書いていて、よくやれるなと思うんですよ。

二宮     東野さんにとっては全然別物ですか?

東野     全く別物ですね。脚本は正直言うとね、よくわからないんですよ。ケチをつけない理由のひとつが、よくわからない(笑)。脚本を書く人はたいしたもんだなと思いますよ。

 

【『プラチナデータ』への思い】

東野     僕はやっと決着ついたなという思いですね。いろいろあったので。感慨深いです。『プラチナデータ』は当初から映画化を前提に進めていたんですけど、結局、映像用のストーリーを作る能力は自分にはないとよくわかったんです。意識しすぎて変なことにしかならない。

二宮     そういう場合、何が圧倒的に違うんですか?

東野     結局、映像の人はヒットする映像を作ろうとしているわけじゃないですか。

二宮     はい。

東野     僕は、小説を書くときでも頭の中で映像を思い浮かべているんですよ。でも、その映像は別にヒットしなくてもいいんです。

二宮     自分の中のものだから?

東野     そうそう。で、ヒットしないといけないのは、その映像について書いた文章ですから。そこはやっぱり大違いなんです。頭の中で思い浮かべた映像を小説にするときに、つまらない部分はちゃんとカットしていると思うんです、自分の中で。

二宮     無意識に?

東野     無意識に。必要なことは書いていて、それが幸いにも皆さんに面白いと言っていただいているわけなんだけど。頭の中の映像をそのままやっちゃうとダメなんですよね、きっと。それで結局、『プラチナデータ』は映画のことを一旦忘れて、いつもと同じように小説として書こうということにして。もし映像化したいと思う人がいたら、ここから面白いエキス、エッセンスを抽出して、組み替えて、いい映像にするだろう、という割り切りで小説を書いた。そういうプロセスがあったんですよ。

二宮     自分の中にある映像は、全然面白くないんですか?

東野     自分では面白いんですよ。ただね、それを映像化して伝えるとしたら、どの部分を切り取ったらいいのか、わからない。取捨選択ができないんです。

二宮     うまくいかないんですね?

東野     いかないですよ。だから、水上教授を女性にするというアイディアですら、小説では出てこないんです。僕の頭の中では水上教授はおじさんなわけですから。もうすでにダメじゃないですか(笑)。

二宮     (笑)。ダメじゃないと思いますけど。

東野     水上教授を、今回女性にしたのは大正解だと思うんですよ。それによって作品に深みというか、異質なものを投入できるわけです。そういうところも、この映画の原作より良くなっていることのひとつだと思います。やたら褒めてますけどね(笑)。

二宮     とにかくうれしいです。今日、東野さんと笑顔でお話しが出来てほっとしています(笑)。東野さんの原作はすごくエンターテイメントの要素が詰まっていて、魅力的なキャラクターたちが大勢出てくるので、自分たちで掘り下げてみる作業がとても楽しいんですよね。もちろんある種のプレッシャーもありますが、いい小説を映像化したときに、「やっぱり面白いね」と言ってもらえる作品、お客さんとして見て楽しんでもらえる作品を作りたい。だから、今日は肩の荷が下りた感じです。本当に良かったなと思います。ありがとうございました。

 


 

單純想紀錄一下這篇XD

說是對談、看到最後有種NINO在訪問東野老師的感覺XDD

看這篇可以好清楚感受到NINO謙虛有禮又不失幽默風趣的態度~真的讓人好喜歡>////////<

說到動作戲時,好老實的說很恐怖XDD,Staff們真的很相信他的潛力阿XDDD,幸好是無事で完成~(呼)

一直在演逃跑的戲,而錯過了慶祝豐川桑的生日,因為那天還不能被抓,這段實在好可愛XDDDD

演繹雙重人格的方式,是根據接收到的感受和環境去變換人格,而不是自己去決定何時轉換人格~

讓觀眾自己去感受現在是誰的人格這點,真的很讓人期待阿!!!! 能夠達到這種境界的演員我想不多吧!!!!

然後原來東野老師有和湊老師聊過耶,好有趣喔ww 兩個老師的作品我都很喜歡呢www

電影果然是改編原作改很大XD,不過我覺得原作已經很好看了耶,既然東野老師都說電影把小說改得更好,可見真的是很棒的一部電影吧!!www

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    櫻小優 發表在 痞客邦 留言(0) 人氣()